「ない」

空から落ちてきた彼女は
飛行石なんて持っていなくて
そのまま落ちて行ってしまって
潰れて死んじゃったって

ほんとは彼女なんかいなくて
実はそれは男だったりしてさ
空から落ちてきたものはそれは
切られた男根だったのさ

 喋る猫と 強い傘と
 白い靴と すべて消えてしまったんだ

  だんだん消えていった存在と
  拾い集めてったはずの 思い出は解けて消えて
  散々夢見てた彼女の
  あそこを見てしまったような
  後悔とあまりの衝撃が
  僕を食べてしまうんだ

   喋る猫なんていない
   強い傘なんて何だ
   白い靴はスニーカー
   全部全部僕のものだ

   開いて閉じた手の平は
   赤いインクで汚れていて
   綺麗だなって 汚いなって
   ぼやいた僕の口の中は カレーのにおいで黄色くなったんだ

  だんだん消えていった存在を
  もう一度拾いたくなって 閉じた手をもう一度開いて伸ばした
  ぜんぜん思い出せない様な
  目の中の涙全部出した
  後悔と光のかけら
  涙と夢と僕と君に さよなら