雨降る夜と折りたたみ傘
電車の窓に雨が降る
この憂鬱を吹き飛ばす
風は僕に吹いてこない
揺れ動く身体とその心
誰を想うかも誰知らず
改札を抜けて空仰ぐ
そこに見えるのは雲と人
傘差さぬ足動かぬ人
彼の困る顔見れぬ僕
手を貸す勇気がないこと
彼の誤解が怖いこと
僕の不安を知らないだろう
彼の目は僕を横切った
痛みは今
僕の心臓を突き刺した
愚かだと諭す自分自身
あぁ、恨んでくれるなら
僕だって 共に 僕を呪うよ
あぁ
あぁ、あぁ!
荷を投げるように捨てる
愚かだと嘆く僕の心
あぁ、痛むのは奥の奥
僕だって君を 救いたかった
いつもの道で彼に出会う
今も尚何も出来やしないけど
バッグに入れた折りたたみ傘
電車の窓に雨が降れば
この憂鬱を吹き飛ばす
そんな僕に出会いたい