嘘尽き歌謳い

せわしなく泣き続ける 蝉の声が
僕の事を 笑ってるようで

しゃがみ込み耳をふさいで 目をギュッと瞑って
あの時の泣き声を思い出してた

 所詮他人事です 他人ひとに起きたことです
 僕じゃなくてよかったって笑ってるだけ

  全部 それでも 僕にくれた言葉
  「涙拭いてよ」 「ここにいるから」
  僕に 僕に 伝えてくれたね
  涙拭くから だからちゃんと前を向くよ


たぶんそれは君の本音で 正直な言葉
後で変わっても 正直な本音

それに斜めで見て即反論 「君は嘘つきだ」
正しくて正しくない僕も 嘘つきだ

 だけど僕には 良心ではなくて
 君を正そうとしてる 僕は思想リプレッサー
 僕はそんな気はなくて ただ認めてほしくて
 二人はただ判りたかっただけなのに

  全部 それでも 僕にくれた言葉
  「綺麗ごとだ」 「嫌気がさした」
  僕の 手から 溢れすぎたんだ
  涙もでないよ 僕が悪かっただけさ


せわしなく泣き続ける 蝉の声が
夕暮れ日暮らしの色に 変わったね

あれから色々なにも 考えられてないよ
だから 僕は
君のために 歌ってるんだ

  ほらね 嘘だ また嘘を歌った
  「貴方に私に届くように」
  僕は 僕は 自分自身の為に
  歌を歌う 嘘を謳う 嘘が尽きても
  あなたの為に……