「ない」

空から落ちてきた彼女は
飛行石なんて持っていなくて
そのまま落ちて行ってしまって
潰れて死んじゃったって

ほんとは彼女なんかいなくて
実はそれは男だったりしてさ
空から落ちてきたものはそれは
切られた男根だったのさ

 喋る猫と 強い傘と
 白い靴と すべて消えてしまったんだ

  だんだん消えていった存在と
  拾い集めてったはずの 思い出は解けて消えて
  散々夢見てた彼女の
  あそこを見てしまったような
  後悔とあまりの衝撃が
  僕を食べてしまうんだ

   喋る猫なんていない
   強い傘なんて何だ
   白い靴はスニーカー
   全部全部僕のものだ

   開いて閉じた手の平は
   赤いインクで汚れていて
   綺麗だなって 汚いなって
   ぼやいた僕の口の中は カレーのにおいで黄色くなったんだ

  だんだん消えていった存在を
  もう一度拾いたくなって 閉じた手をもう一度開いて伸ばした
  ぜんぜん思い出せない様な
  目の中の涙全部出した
  後悔と光のかけら
  涙と夢と僕と君に さよなら

エリンギバター

http://tmbox.net/pl/556412

その辺のスーパーで買った エリンギとバターで
やわらかくかたいエリンギバター 作って食べたい

その辺に無駄にあまってる 醤油とコショウを
適当に使ってエリンギバター 作ってあげたい

 まずはエリンギきります バターもきります
 炒めます 炒めます 醤油かけます さあ 食え


さすがにこれは怒られた エリンギバターなのに
俺が作るエリンギバターちゃんはな マジで旨いんだぜ

今度はガチで殴られた すいませんでした
俺実は君のエリンギバター 世界で一番すk

 まずはエリンギきります バターもきります
 炒めます 炒めます 醤油かけます ほら召し上がれ


    って一緒じゃん 俺の作ったのと
      一緒じゃん だって え だって
    ごめんなさい 俺のエリンギバター
    はい マジで 許して

 だってエリンギきります バターもきります
 炒めます 炒めます 醤油かけます ほら出来上がり

 えだってエリンギきります バターもきります
 炒めます 炒めます 醤油かけます でしょ合ってるじゃん俺

雨を呼ぶ人

一生自分に言うんだね もっと立派になれって
きっと分かってないんだね 分かるまで言うんだもんね
実情言えてないもんね だって立派じゃないもんね
言ったふりが上手いもんで そうやって生きてきたんだね


 甲斐性なしの僕に何を どんな正論ぶつけてみたって
 身も蓋もない言い訳で 面倒なことから逃げてきた

  雨被って 雨羽織って 雨履いて 歩いてんだ
  どこをどう歩いても 水たまりが出来るんだ


みっともない自分だぜ 鏡にも映るんだぜ
涙のあとも上手く隠せず みんなに心配かけている
言葉を待っているんだぜ 上辺でも嬉しいんだぜ
自分に甘えてばっかりだ 非常に残念な類だ


 こんながきの僕が何を どんな何を伝えてみたって
 何説教食わせやがんだ って言われてもしゃあないやね

  雨浴びて 雨泳いで 雨食べて 雨呼ぶんだ
  どこをどう歩けよと 教えてほしいわけがない


   死なないしさ 笑わんしさ 泣かないしさ くだらないしさ
   いくらでも降れよ 雨
   いくらでも泣けよ 嗚呼


  雨殴って 雨蹴って 駄目じゃないぜ 違わないぜ
  どこをどう歩こうが 俺の勝手だってんだよ

  雨になって 雨に泣いて 笑ってみても 晴れた雨
  どこをどう歩いても 水たまりに笑われんだ

  水たまりと笑うんだ

NAOJACKET

http://tmbox.net/pl/463807

歩いた距離はもう それはもう遠い程
描いた世界も それはもう数えきれず
何度も笑い合って 時には喧嘩もして
どれくらい長い間 心を歌ってきた

素直になれやしない 胸すら張れやしない
これくらい頑張ったろう これくらい笑っただろう
一度息を吸って もう一度息を吸って
目一杯吐いてみろよ 無駄に笑えるだろう

 優しさを歌って 誰かを救いたがり それでも自分だけはけして偽らずに
 悲しみを越えて 誰かに救われたがり 気付かれたくない気付かれたい事

  掌は此処だ 瞼は此処だ その場所は此処だ ちゃんとそれは変わらない
  魂はここだ 俺の声はここだ 聞こえてくれるかい 聞いてくれてるかい
  

君に会いたいその声は 声に会いたい歌
君は貴方ではなくて 貴方に君がいて
貴方にはそれを伝えたい 君の貴方まで

俺は貴方へのこの歌を 君に歌ってる

    救えるなら 救いたいから 救えたなら 救われるから
    救えるなら 救いたいから 救えたなら 救われるから

  心臓は此処だ 言葉は此処だ 命は此処だ 歌は貴方だ
  憎しみを知って 苦しさを知って それでも救いたい 君の貴方まで
  掌は其処だ 瞼は此処だ その場所はいつまでも 君がいる場所だ


(何が怖いとか 何を気遣うとか それより大事な "貴方に歌う事")

家出少女の考え事

http://tmbox.net/pl/461427

ごめんねという言葉くらい 残してくれば良かったな
何も考えず何も持たずに 私は家出少女になった

ある日突然喧嘩をした どっちが悪いかとかそんなんじゃなく
つまらない理由抱え込んでた 誰にも言えず悩んでたんだ

  ひとりぼっちを望んでいた 誰にも何も言われたくはない
  私は私 たった一人の ほかでもない 私なんだ

 自己正当化 そればっか
 自己正当化 そればっかだよ


そういやお腹も減ってきたな ちょっとのお金なら持ってきたけど
いつまでこんな風に生きてれるかな いつまでこんな場所にいられるのかな

そうだあいつならあいつだったなら 私の事笑ってくれるかな
居候でもいいからって言えるかな 問題は強がりで嘘つきな私

  ひとりぼっちが怖かった 誰かに救われたくもなった
  私は誰 誰でもなくて 誰かに呼ばれ 私になった


   家出少女は考えた 家出したような少女の思い
   自分を忘れたくなっては 誰かのせいにしていたんだ
   傷付けたくない 傷付きたくない
   自分勝手で 自分本位だ
   それでもいいかな それでいいかな


灯りのついたあいつの家 その玄関のチャイムを鳴らす
あいつの声が聞こえた瞬間 私は泣いた 涙を流して

ドアが開いた時笑った顔で 「そんなこったろうと思った」だなんて
私の涙を拭ってくれた 子をあやすようなふざけた顔で


  ひとりぼっちが怖かった 誰かに呼んでもらいたかった
  私は私 たった独りで 何を馬鹿なこと 考えていたんだ

  ひとりぼっちが怖かったんだ 誰かに救われたかったんだ
  私は私 誰でもなくて 私の望んだ 私になった



 自己正当化 そればっか
 自己正当化 そればっかだよ

10月の夜

http://tmbox.net/pl/369335

10月の夜は 僕の肌に噛み付いて
夜の向こうで オリオン座が叫んでる

土のにおいが のどの奥に染み渡る
黒に塗られた キャンバスを切り裂いていく

遠くで聞こえた 軽自動車の唸り声
僕に向けられたようで すこし怯える

 光は長い旅を終えて
 僕の中に還っていく

 その旅人を僕はおざなりに
 一瞬で投げ捨てるよに
 僕は 僕は 忘れていく


  空にはたくさんの旅人たちが
  僕の網膜に張り付いていく
  それでも 君たちを 覚えてられない
  それでも 僕は 綺麗だと呟いた
  
  ひとつだけ覚えてる星座をなぞろうとして
  それが どこにあるのかわからない

10月の夜は 僕の肌に噛み付いて
夜の向こうで オリオン座が叫んでる

みんなの詩

生まれるのは
どこがいいかい
北の島の海の近く

少々だが寒いけれど
それ以上に温かい みんな


生まれたのは
十数年前
北の島の海の近く

少々だが泣き叫んで
母親に抱きしめられた

 僕は幸せなのかなぁ
 それとも違うかなぁ
 でもさみんなと遊んでいたら
 全部幸せに思えて

  世界は繋がってるんだ
  この呼吸とこの声で
  世界は繋がってるんだ
  みんなに届ける ありがとうで

生まれたのが
ここで良かった
北の島の海の近く

少々だが不便だけど
だからこそみんなに出会えた

 僕は幸せなんだろう
 そうだと言えるんだろう
 こんなにみんなと笑えて
 全部幸せに思えて

  世界は繋がってるんだ
  このギターとこの声で
  世界は繋がってるんだ
  みんなと歌う ありがとうで
  
  みんなに歌う ありがとう