「ない」
空から落ちてきた彼女は
飛行石なんて持っていなくて
そのまま落ちて行ってしまって
潰れて死んじゃったって
ほんとは彼女なんかいなくて
実はそれは男だったりしてさ
空から落ちてきたものはそれは
切られた男根だったのさ
喋る猫と 強い傘と
白い靴と すべて消えてしまったんだ
だんだん消えていった存在と
拾い集めてったはずの 思い出は解けて消えて
散々夢見てた彼女の
あそこを見てしまったような
後悔とあまりの衝撃が
僕を食べてしまうんだ
喋る猫なんていない
強い傘なんて何だ
白い靴はスニーカー
全部全部僕のものだ
開いて閉じた手の平は
赤いインクで汚れていて
綺麗だなって 汚いなって
ぼやいた僕の口の中は カレーのにおいで黄色くなったんだ
だんだん消えていった存在を
もう一度拾いたくなって 閉じた手をもう一度開いて伸ばした
ぜんぜん思い出せない様な
目の中の涙全部出した
後悔と光のかけら
涙と夢と僕と君に さよなら
エリンギバター
その辺のスーパーで買った エリンギとバターで
やわらかくかたいエリンギバター 作って食べたい
その辺に無駄にあまってる 醤油とコショウを
適当に使ってエリンギバター 作ってあげたい
まずはエリンギきります バターもきります
炒めます 炒めます 醤油かけます さあ 食え
さすがにこれは怒られた エリンギバターなのに
俺が作るエリンギバターちゃんはな マジで旨いんだぜ
今度はガチで殴られた すいませんでした
俺実は君のエリンギバター 世界で一番すk
まずはエリンギきります バターもきります
炒めます 炒めます 醤油かけます ほら召し上がれ
って一緒じゃん 俺の作ったのと
一緒じゃん だって え だって
ごめんなさい 俺のエリンギバター
はい マジで 許して
だってエリンギきります バターもきります
炒めます 炒めます 醤油かけます ほら出来上がり
えだってエリンギきります バターもきります
炒めます 炒めます 醤油かけます でしょ合ってるじゃん俺
雨を呼ぶ人
一生自分に言うんだね もっと立派になれって
きっと分かってないんだね 分かるまで言うんだもんね
実情言えてないもんね だって立派じゃないもんね
言ったふりが上手いもんで そうやって生きてきたんだね
甲斐性なしの僕に何を どんな正論ぶつけてみたって
身も蓋もない言い訳で 面倒なことから逃げてきた
雨被って 雨羽織って 雨履いて 歩いてんだ
どこをどう歩いても 水たまりが出来るんだ
みっともない自分だぜ 鏡にも映るんだぜ
涙のあとも上手く隠せず みんなに心配かけている
言葉を待っているんだぜ 上辺でも嬉しいんだぜ
自分に甘えてばっかりだ 非常に残念な類だ
こんながきの僕が何を どんな何を伝えてみたって
何説教食わせやがんだ って言われてもしゃあないやね
雨浴びて 雨泳いで 雨食べて 雨呼ぶんだ
どこをどう歩けよと 教えてほしいわけがない
死なないしさ 笑わんしさ 泣かないしさ くだらないしさ
いくらでも降れよ 雨
いくらでも泣けよ 嗚呼
雨殴って 雨蹴って 駄目じゃないぜ 違わないぜ
どこをどう歩こうが 俺の勝手だってんだよ
雨になって 雨に泣いて 笑ってみても 晴れた雨
どこをどう歩いても 水たまりに笑われんだ
水たまりと笑うんだ
NAOJACKET
歩いた距離はもう それはもう遠い程
描いた世界も それはもう数えきれず
何度も笑い合って 時には喧嘩もして
どれくらい長い間 心を歌ってきた
素直になれやしない 胸すら張れやしない
これくらい頑張ったろう これくらい笑っただろう
一度息を吸って もう一度息を吸って
目一杯吐いてみろよ 無駄に笑えるだろう
優しさを歌って 誰かを救いたがり それでも自分だけはけして偽らずに
悲しみを越えて 誰かに救われたがり 気付かれたくない気付かれたい事
掌は此処だ 瞼は此処だ その場所は此処だ ちゃんとそれは変わらない
魂はここだ 俺の声はここだ 聞こえてくれるかい 聞いてくれてるかい
君に会いたいその声は 声に会いたい歌
君は貴方ではなくて 貴方に君がいて
貴方にはそれを伝えたい 君の貴方まで
俺は貴方へのこの歌を 君に歌ってる
救えるなら 救いたいから 救えたなら 救われるから
救えるなら 救いたいから 救えたなら 救われるから
心臓は此処だ 言葉は此処だ 命は此処だ 歌は貴方だ
憎しみを知って 苦しさを知って それでも救いたい 君の貴方まで
掌は其処だ 瞼は此処だ その場所はいつまでも 君がいる場所だ
(何が怖いとか 何を気遣うとか それより大事な "貴方に歌う事")
家出少女の考え事
ごめんねという言葉くらい 残してくれば良かったな
何も考えず何も持たずに 私は家出少女になった
ある日突然喧嘩をした どっちが悪いかとかそんなんじゃなく
つまらない理由抱え込んでた 誰にも言えず悩んでたんだ
ひとりぼっちを望んでいた 誰にも何も言われたくはない
私は私 たった一人の ほかでもない 私なんだ
自己正当化 そればっか
自己正当化 そればっかだよ
そういやお腹も減ってきたな ちょっとのお金なら持ってきたけど
いつまでこんな風に生きてれるかな いつまでこんな場所にいられるのかな
そうだあいつならあいつだったなら 私の事笑ってくれるかな
居候でもいいからって言えるかな 問題は強がりで嘘つきな私
ひとりぼっちが怖かった 誰かに救われたくもなった
私は誰 誰でもなくて 誰かに呼ばれ 私になった
家出少女は考えた 家出したような少女の思い
自分を忘れたくなっては 誰かのせいにしていたんだ
傷付けたくない 傷付きたくない
自分勝手で 自分本位だ
それでもいいかな それでいいかな
灯りのついたあいつの家 その玄関のチャイムを鳴らす
あいつの声が聞こえた瞬間 私は泣いた 涙を流して
ドアが開いた時笑った顔で 「そんなこったろうと思った」だなんて
私の涙を拭ってくれた 子をあやすようなふざけた顔で
ひとりぼっちが怖かった 誰かに呼んでもらいたかった
私は私 たった独りで 何を馬鹿なこと 考えていたんだ
ひとりぼっちが怖かったんだ 誰かに救われたかったんだ
私は私 誰でもなくて 私の望んだ 私になった
自己正当化 そればっか
自己正当化 そればっかだよ
10月の夜
10月の夜は 僕の肌に噛み付いて
夜の向こうで オリオン座が叫んでる
土のにおいが のどの奥に染み渡る
黒に塗られた キャンバスを切り裂いていく
遠くで聞こえた 軽自動車の唸り声
僕に向けられたようで すこし怯える
光は長い旅を終えて
僕の中に還っていく
その旅人を僕はおざなりに
一瞬で投げ捨てるよに
僕は 僕は 忘れていく
空にはたくさんの旅人たちが
僕の網膜に張り付いていく
それでも 君たちを 覚えてられない
それでも 僕は 綺麗だと呟いた
ひとつだけ覚えてる星座をなぞろうとして
それが どこにあるのかわからない
10月の夜は 僕の肌に噛み付いて
夜の向こうで オリオン座が叫んでる
みんなの詩
生まれるのは
どこがいいかい
北の島の海の近く
少々だが寒いけれど
それ以上に温かい みんな
生まれたのは
十数年前
北の島の海の近く
少々だが泣き叫んで
母親に抱きしめられた
僕は幸せなのかなぁ
それとも違うかなぁ
でもさみんなと遊んでいたら
全部幸せに思えて
世界は繋がってるんだ
この呼吸とこの声で
世界は繋がってるんだ
みんなに届ける ありがとうで
生まれたのが
ここで良かった
北の島の海の近く
少々だが不便だけど
だからこそみんなに出会えた
僕は幸せなんだろう
そうだと言えるんだろう
こんなにみんなと笑えて
全部幸せに思えて
世界は繋がってるんだ
このギターとこの声で
世界は繋がってるんだ
みんなと歌う ありがとうで
みんなに歌う ありがとう